案の定、僕の説明がさっぱりわからない様子のタクシーの兄さん。たまたま通りかかったお姉さんを指差し「アラビック、イングリッシュ」とか必死の形相で言っています。つまり、あの人に通訳を頼めと、どうやらそんなところらしいです。仕方ない。「あのースイマセン。彼、タクシーの運転手なんだけど、全く英語が出来ないらしいんですよ。それで申し訳ないのですが、英語からアラビア語への通訳をお願い出来ないでしょうか?」と僕も持てる限りの英語力を振り絞って丁寧にお願いしてみます。すると、「あら、いいですよ。」と色好い返事が。どうでも良いですが、このお姉さんも物凄い美人さんです。頭の大きさもすらっと伸びた手足も同じ人類とはとても思えません。そして、ありがたい事に、僕が伝えたかった事と、行き先を全て丁寧に説明してくれました。
さあ、これで一安心と、荷物を積むとタクシーが走り出します。ところがまた一波乱。兄さん、タクシーのくせに全然、道がわかっていない様子。確かにかなりベイルートの街から離れた山の上の小さな町にあるホテルなのですが、距離にしてたかだか15km程度。タクシーやってるのなら勘でもなんでも近くまでは行けるでしょう?ところが、その方向へ向かう道すら知らない様で、数分走る度に必死に道行く人や並んだ車の運転手に道を聞き、グルグルグルグルなんだか同じ様なところを行ったり来たりしやがるんです。もう知らん。「もういいから降ろせ」と言う言葉すら通じず、こちらも半ば、「どうにでもなれ」と開き直るしかありません。
それでも最初の通訳してくれたお姉さんの情報により、ホテルはブルームマーナというところにあると言う事は分かっておりましたので、散々迷いながらもなんとか徐々に徐々に近づいているのがわかります。何と言ってもトンでもない坂道を延々と登り続け、周りの景色が明らかに街から山に変わって行くのですから。本当は距離からすれば30分もあれば十分に着ける位なのですがね。そこは兄さんも必死です。生活かかってるんでしょうね。半分泣きそうな顔をしながら、それこそ全く余裕のない運転にこちらも気が気じゃありませんでしたが、結局1時間以上かかってホテルへ到着しました。ホテルが見えたときは嬉しかったなあ。「あれだよ、あのホテル!わかる、アレ、アレ」って大声で叫んじゃいましたからねぇ。既に日も落ちて辺りはすっかり真っ暗です。
このホテル
で、支払い。こんなもんだろうと適当にお金を渡すと、必死の形相で足りない足りない、と訴えてきます。こういうのは言葉が通じなくても通じちゃうんですねぇ。不思議です。で、少しずつお金を渡して行くのですが、なかなか納得しない。どうもかなりの長距離と長時間走ったのだから、こんなものじゃないだろう、とこういう事の様で、かなりの額を渡してやっと納得してくれました。日本のタクシーと値段的に大差ないじゃん。そもそも、お前が道知らなかったのがいけないんだろう、と文句の一つも言ってやりたかったですが、言ったところで全く通じないのですから無駄ってものですね。それに彼の鬼気迫る訴えかけになんか根負けしてしまいました。別にボッタクってやろうって言う雰囲気でもなく、心からこれが正規の料金なんだよっていう訴えでしたから。でもね、あくまでもそれは彼の感覚的な問題で、結局、翌々日にホテルで呼んでもらったタクシーでは、半額くらいで空港までいけちゃいましたから、やっぱり払い過ぎだった様です。でもね、この国のタクシーの値段ってのは前述の通り、どうもそんなものの様ですからね、もう諦めました。
そしてホテルへチェックイン。山の上にある小さな町の小さなホテル。どうもホテルの最上階に住んでいる老夫婦が半ば趣味で経営している、そんな感じのホテルです。ベイルートの街中からだいぶ離れている事もあってお値段もかなりリーズナブル。バックパッカーにもお勧め出来るかもしれません。また、この山の上から眺めるベイルートの夜景は本当に素晴らしかったです。もちろん、昼間も絶景です。それにこの小さな町自体も大変雰囲気が良くとても素敵でした。軽井沢的の裏通り的な雰囲気のところに、ちょっとした素敵な住宅街が広がっている、って感じでしょうか。もちろん部屋も奇麗で良かったです。
こーんな感じのところ。
絶景でしょ。
ただ、このホテル、レストランが無く、食事も付きません。部屋には小さなキッチンが付いていて食器や調理器具も最低限揃っており、従業員に頼めば近所のスーパーで買い物もして来てくれる様です。まあ、こんなところもまで来て自分で料理も無いので、この日はケータリングを頼む事に。どうも自分で出前を頼むのがこのホテルのルールの様でしたが、それも面倒なのでフロントに押し掛け、「これ食べたいんだけど電話してくれない?」と頼んでみます。しかし、この日のフロントのシフトの兄ちゃんがまたいい加減な奴で、悪い奴では無いのですが、どうも何を頼んでもいい加減。「えー、面倒だから、自分で電話しろよー」だと。「おーい、オレは客だぞー、それぐらいしてくれても良いじゃんかよぉ。」と半ばキレ気味になっていると、別の従業員の出来た兄さんがたまたま入って来て、「いいよいいよ、僕が頼むから」って電話してくれます。
この日、夕食に頼んだのは寿司。なぜ、レバノンで寿司?と言われても、レバノン料理ばかりでいい加減食傷気味。和食が食いたい。と言う事で寿司に。普通に寿司の出前があるのがこのレバノンの良いところですね。兄さんによると大体30分くらいで来るとの事。山の上の小さな町ではありますが、車で5分も行った所に比較的大きめな街がありましたので、きっとソコに寿司屋があるんでしょうね。
30分の間、退屈なので近所を歩きます。ホテルの前にパン屋があったので、明日の朝飯と晩飯後のおやつでもと思い、覗いてみる事に。ナカナカ美味しそうなパンが並んでいます。チンタラと見ていると、店員のお姉さんが近づいて来て、しきりにお勧めを教えてくれます。お姉さん、ちょっとサエナイ感じの田舎の女の子て感じなんですが、えーっと、金髪のソバカス顔で、少女マンガの夢見る少女的な子って言えばわかるかなぁ。赤毛のアンとか足長おじさんの女の子(名前は忘れた)っぽい感じ。あーそうそう、ちょっとサエナイ「アメリ」を金髪にした感じとか。ワカラナイ?えーっと、まあいいや。
ホテル向いのパン屋さん他
お姉さんにドーナッツなどいくつか頼んで包んでもらいます。すると、ドーナッツを一個オマケしてくれました。もう少し長くいられれば仲良くなれそうな感じのとても人の良さそうな可愛らしいお姉さんでした。お姉さん、ドーナッツをどうもありがとう。とても美味しかったですよー。
こうして夜も深けて行くのでございました。
素晴らしいホテルからのベイルートの夜景
おまけ
あ、寿司は非常に美味かったですよ。驚きです。カニカマかと思いきや、本物のカニだし、ネタも美味い。シャリは流石に本国日本のものには敵いませんが、帰国した際に食べた回転寿しよりもこっちの方が美味かったですからね。これは凄い発見でした。レバノンの寿司は宅配のくせに結構いける、とね。
これが美味かったのよ。ホント。
さあ、これで一安心と、荷物を積むとタクシーが走り出します。ところがまた一波乱。兄さん、タクシーのくせに全然、道がわかっていない様子。確かにかなりベイルートの街から離れた山の上の小さな町にあるホテルなのですが、距離にしてたかだか15km程度。タクシーやってるのなら勘でもなんでも近くまでは行けるでしょう?ところが、その方向へ向かう道すら知らない様で、数分走る度に必死に道行く人や並んだ車の運転手に道を聞き、グルグルグルグルなんだか同じ様なところを行ったり来たりしやがるんです。もう知らん。「もういいから降ろせ」と言う言葉すら通じず、こちらも半ば、「どうにでもなれ」と開き直るしかありません。
それでも最初の通訳してくれたお姉さんの情報により、ホテルはブルームマーナというところにあると言う事は分かっておりましたので、散々迷いながらもなんとか徐々に徐々に近づいているのがわかります。何と言ってもトンでもない坂道を延々と登り続け、周りの景色が明らかに街から山に変わって行くのですから。本当は距離からすれば30分もあれば十分に着ける位なのですがね。そこは兄さんも必死です。生活かかってるんでしょうね。半分泣きそうな顔をしながら、それこそ全く余裕のない運転にこちらも気が気じゃありませんでしたが、結局1時間以上かかってホテルへ到着しました。ホテルが見えたときは嬉しかったなあ。「あれだよ、あのホテル!わかる、アレ、アレ」って大声で叫んじゃいましたからねぇ。既に日も落ちて辺りはすっかり真っ暗です。
で、支払い。こんなもんだろうと適当にお金を渡すと、必死の形相で足りない足りない、と訴えてきます。こういうのは言葉が通じなくても通じちゃうんですねぇ。不思議です。で、少しずつお金を渡して行くのですが、なかなか納得しない。どうもかなりの長距離と長時間走ったのだから、こんなものじゃないだろう、とこういう事の様で、かなりの額を渡してやっと納得してくれました。日本のタクシーと値段的に大差ないじゃん。そもそも、お前が道知らなかったのがいけないんだろう、と文句の一つも言ってやりたかったですが、言ったところで全く通じないのですから無駄ってものですね。それに彼の鬼気迫る訴えかけになんか根負けしてしまいました。別にボッタクってやろうって言う雰囲気でもなく、心からこれが正規の料金なんだよっていう訴えでしたから。でもね、あくまでもそれは彼の感覚的な問題で、結局、翌々日にホテルで呼んでもらったタクシーでは、半額くらいで空港までいけちゃいましたから、やっぱり払い過ぎだった様です。でもね、この国のタクシーの値段ってのは前述の通り、どうもそんなものの様ですからね、もう諦めました。
そしてホテルへチェックイン。山の上にある小さな町の小さなホテル。どうもホテルの最上階に住んでいる老夫婦が半ば趣味で経営している、そんな感じのホテルです。ベイルートの街中からだいぶ離れている事もあってお値段もかなりリーズナブル。バックパッカーにもお勧め出来るかもしれません。また、この山の上から眺めるベイルートの夜景は本当に素晴らしかったです。もちろん、昼間も絶景です。それにこの小さな町自体も大変雰囲気が良くとても素敵でした。軽井沢的の裏通り的な雰囲気のところに、ちょっとした素敵な住宅街が広がっている、って感じでしょうか。もちろん部屋も奇麗で良かったです。
ただ、このホテル、レストランが無く、食事も付きません。部屋には小さなキッチンが付いていて食器や調理器具も最低限揃っており、従業員に頼めば近所のスーパーで買い物もして来てくれる様です。まあ、こんなところもまで来て自分で料理も無いので、この日はケータリングを頼む事に。どうも自分で出前を頼むのがこのホテルのルールの様でしたが、それも面倒なのでフロントに押し掛け、「これ食べたいんだけど電話してくれない?」と頼んでみます。しかし、この日のフロントのシフトの兄ちゃんがまたいい加減な奴で、悪い奴では無いのですが、どうも何を頼んでもいい加減。「えー、面倒だから、自分で電話しろよー」だと。「おーい、オレは客だぞー、それぐらいしてくれても良いじゃんかよぉ。」と半ばキレ気味になっていると、別の従業員の出来た兄さんがたまたま入って来て、「いいよいいよ、僕が頼むから」って電話してくれます。
この日、夕食に頼んだのは寿司。なぜ、レバノンで寿司?と言われても、レバノン料理ばかりでいい加減食傷気味。和食が食いたい。と言う事で寿司に。普通に寿司の出前があるのがこのレバノンの良いところですね。兄さんによると大体30分くらいで来るとの事。山の上の小さな町ではありますが、車で5分も行った所に比較的大きめな街がありましたので、きっとソコに寿司屋があるんでしょうね。
30分の間、退屈なので近所を歩きます。ホテルの前にパン屋があったので、明日の朝飯と晩飯後のおやつでもと思い、覗いてみる事に。ナカナカ美味しそうなパンが並んでいます。チンタラと見ていると、店員のお姉さんが近づいて来て、しきりにお勧めを教えてくれます。お姉さん、ちょっとサエナイ感じの田舎の女の子て感じなんですが、えーっと、金髪のソバカス顔で、少女マンガの夢見る少女的な子って言えばわかるかなぁ。赤毛のアンとか足長おじさんの女の子(名前は忘れた)っぽい感じ。あーそうそう、ちょっとサエナイ「アメリ」を金髪にした感じとか。ワカラナイ?えーっと、まあいいや。
お姉さんにドーナッツなどいくつか頼んで包んでもらいます。すると、ドーナッツを一個オマケしてくれました。もう少し長くいられれば仲良くなれそうな感じのとても人の良さそうな可愛らしいお姉さんでした。お姉さん、ドーナッツをどうもありがとう。とても美味しかったですよー。
こうして夜も深けて行くのでございました。
あ、寿司は非常に美味かったですよ。驚きです。カニカマかと思いきや、本物のカニだし、ネタも美味い。シャリは流石に本国日本のものには敵いませんが、帰国した際に食べた回転寿しよりもこっちの方が美味かったですからね。これは凄い発見でした。レバノンの寿司は宅配のくせに結構いける、とね。
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by kuronekonokujira
| 2011-11-15 05:55
| レバノンの旅